神田市場 プロジェクト#1 

東京・神田 自家製どぶろく「神田マドンナ」


東京のど真ん中・神田。居酒屋の店内には1.5坪ほどのスペースで「自家製どぶろく」を醸造している。

飲むだけではわからない様々なこだわりを店主の宮井氏へインタビューした。

  1. ビール工場、公認会計士、コンサルティング業・・・様々な経験
  2. できたてのお酒に魅せられて始めた”自家製どぶろく”
  3. ”神田のマドンナたちの顔が浮かんだ”
  4. ハムカツだけの取材も!酒が止まらない、絶品「大吟醸ハムカツ」

1.ビール工場、公認会計士、コンサルティング業・・・様々な経験

自家製どぶろくにたどり着くまで、様々な仕事をしていたという宮井氏。もともとは公認会計士を務め、コンサルティング業をしていた。その時に、全国の酒蔵と知り合うことが多く、日本酒に興味を持ったきっかけになった。

公認会計士の前はなんと、クラフトビールの製造会社:ヤッホーブルーイングで工場長を務めていた。宮井氏にとって、お酒と縁は切っても切れないのかもしれない。

2.できたてのお酒に魅せられて始めた”自家製どぶろく”

▲店内タンクの前でお話しを伺う

インタビューの中で何度も”できたて”という言葉を口にした宮井氏。自分が全国の酒蔵で体験した”できたてのおいしさ”を多くの人に体験してほしいという想いから「にほんしゅほたる」での自家製どぶろくを始めた。

普段私たちが飲んでいるお酒は、酒蔵で醸造され、流通され、お店に届いて、私たちの元へ届く。それはどうしても時間が経ってしまっている。もちろんおいしいのだが、できたてのお酒特有の香りの良さ。これを東京でも体験してほしいと想い、都心部で物件を探した。偶然見つけた物件が、JR神田駅西口から徒歩5分。サラリーマンの多い神田エリアの好立地でオープンすることができた。

どぶろくの醸造にも多くの”こだわり”が。普通のどぶろく作りでは基本的に使わない、酒米の王様「山田錦」を使用、麹米も「五百万石」。清酒の完成直前の状態にしている。免許さえあれば、このままろ過して清酒にすることもできる。限りなく清酒に近い醸造法にしたのも、「日本酒のおもしろさを知ってほしい」という宮井氏の強いこだわりだ。

3.”神田のマドンナたちの顔が浮かんだ”

▲神田マドンナ

にほんしゅほたるで醸造しているどぶろく、その名も「神田マドンナ」。このネーミングについて宮井氏に伺った。

実は、「神田マドンナ」を作る前にお店がオープン。その常連のお客様たちに醸造したどぶろくを飲ませていたそう。その時に、どぶろくに食いつくのは女性が多かったという。そんなお客様たちの顔を思い浮かべながらネーミングを考え、「マドンナ」というワードにたどり着いた。(もちろん男性のお客様も飲みますよ)

ひとことで表すならば、”神田のマドンナたちに捧げるお酒”。

お客様を大切にしているからこそのネーミングだ。

4.ハムカツだけの取材も!お酒がすすんでしょうがない、絶品「大吟醸ハムカツ」

そんなこだわりの「神田マドンナ」にはどんな料理が合うのか。

宮井「どぶろくは味がしっかりしているので、負けないようなしっかりした味わいのお料理と合います。揚げ物とか味の濃い煮物とかチーズとか・・」

にほんしゅほたるでの一番人気メニューは「大吟醸ハムカツ」だそう。オリジナルのハムカツで、ハムとチーズと酒粕がミルフィーユ状になっている。見た目も美しく、個性的なハムカツだ。あの有名なグルメメディア「dancyu(ダンチュウ)」から取材されたこともあるほど。

▲にほんしゅほたる名物「大吟醸ハムカツ」

食べてみると・・・酒粕とチーズを混ぜ合わせたクリームが派手過ぎず地味過ぎず、しっかりとした存在感。ミルフィーユ状の食感も新鮮で、お酒とよく合う味。

お店をオープンした当初の2015年、レストラン形式では東京で唯一だった”自家製どぶろく”。2022年現在では3~4軒増え、少しずつどぶろく自体の認知度も上がっているようだ。

酒蔵でしかできない体験、フレッシュで生き生きとしたどぶろく。是非みなさんも東京のど真ん中で”新しい体験”をしに行ってみてはいかがでしょうか?お店へ足を踏み入れた瞬間、非現実のような香りがしてくるはずです。